■■ Weekly Fax News 805 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 大手労働組合が続々と賃上げ要求 」
(2)「 他人ひとの話を聞く時 」
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◆「 大手労働組合が続々と賃上げ要求 」◆
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消費税率引上げを控え、賃金の引上げをめぐり労使間の交渉が本格
化し始めている。たとえば、トヨタ労組は平均賃上げで11,300
円、賞与は年間6.8ヵ月を会社側に求めている。日産労組は平均賃
金改定原資として9,500円、賞与は年間5.6ヵ月、ホンダ労組
は賃金改善分として賃金カーブとは別に組合員平均で3,500円、
賞与は5.9ヵ月を求めている。ここ数年、低めに抑えられていた賃
上げや賞与の支給倍率に対し、アベノミクス効果や消費税率引上げを
理由に大きな改善を求める傾向にあるようだ。一方、中小企業ではな
かなかそのように一足飛びの賃上げや賞与支給倍率改善とはいかない。
大手企業の業績回復はリストラによる人件費削減や中小企業等への外
注費の大幅な削減による効果も少なくない。下請け、孫請けとして大
手企業を支える中小企業にはなかなか景気回復の恩恵は回ってきてい
ないのが現状だ。それでも人出不足が深刻な業種や比較的業績のよい
中小企業では賃上げに踏み切る例もでている。できれば賃上げをした
いが原資の問題や今後の業績の見通しから踏み切れない経営者も少な
くないだろう。人件費を単なるコストと見るか将来への投資と見るか、
春の賃上げは経営者の姿勢の判断材料にもなっている。
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◆「 他人ひとの話を聞く時 」◆
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時々、公的機関(商工会等)の経営相談員を引受けるが、相談に来所
される方の他人の話を聞く態度は区々である。大きく分けて、相談の
回答をメモしながら聞いている人と、一応相槌は打つがメモを全く取
らない人とがいる。当方でメモ用紙と筆記具を用意しても使わない人
も珍しくない。
このことは経営者と話している時も同じである。会社の規模や業種
等には関係なく、また当方の能力如何に関係なく、メモを取りながら
真剣に話を聞いて頂ける人が多い。さて、他人の話を聞く時にメモを
取る効用は何であろうか。第一に、話を整理しながら要点の記録が残
せること。第二に、何かを学ぶ姿勢を自己の心に動機付け、経営や生
活に役立つ情報が自然に入ってくること。第三に、これが一番大切で
価値が高いが、相手に謙虚な姿勢や感謝の心を理解してもらえること。
人は一般に、真剣に話を聞いてくれる人に対してより質の高い話(又
は多くの情報)をする努力をするものである。「情報は関心を持って
いる人により多く集まる」とは真理である。
ある人物鑑定法に、その人の行いを良く観察すること、またその行
いの動機や目的を察し、さらにその行いを楽しんでいるかどうか観察
することとあるが、他人の話を聞く態度もその一つであろう。