■■ Weekly Fax News 822 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 軽減税率導入へ具体案公表 年末の大綱へ ― 政府税調 」
(2)「 本物の繁盛店 」
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◆「 軽減税率導入へ具体案公表 年末の大綱へ ― 政府税調 」◆
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与党税制協議会はこのほど、消費税の軽減税率について論点整理を
行い、対象品目の8案、及び区分経理のための4案を示した。7月以
降に行う業界団体などからのヒアリングを踏まえて議論を進め、年末
の税制改正に盛り込むことを目指す。
対象分野については、まず飲食料品分野に絞った8つのパターンを
提示。消費税1%あたりの減収額は、すべての飲食料品を対象とした
場合の6,600億円から、「米、みそ、醤油」あるいは「精米」と
限定した場合の200億円まで幅が広い。他方、軽減税率導入に伴っ
て、買手が請求書等を保存し仕入税額控除を行っている現行の区分経
理事務を見直すとし、次の4つが示された。
A)区分経理に対応した請求書等保存方式
B)A案に売手の請求書交付義務等を追加した方式
C)事業者番号と請求書番号を付さない税額別記請求書方式
D)EU型インボイス方式
C)D)については、買い手側が軽減税率を標準税率として請求書等
に記載させ、納付税額を過少申告する不正の発生が、A)B)と比べ
相当少なくなると考えられる。免税事業者からの仕入れについては、
税額控除を認めない制度であるため益税は生じない。自民党税調では
今後、飲食料品以外の分野でも議論を始めたいとしている。
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◆「 本物の繁盛店 」◆
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小さな庭で四季咲きのバラを栽培している。毎年4月頃、最初の花
の蕾をたくさん付けるが、各枝に蕾を一つだけ残して摘んでいる。こ
うすると年数回、数は少ないが立派な花を確実に咲かすのである。
さて、店舗に来るお客様をバラの花に譬えてみる。各店舗には客層
(客の職業・年齢・所得・嗜好等)の特徴がある。時々、駅前や観光
地等で行列客を見掛けるが、その多くはテレビや雑誌等で紹介された
店舗である。行列客はそれまでの客層とは違うお客様が多い。バラで
あれば、大小無数の蕾が付いたような状況かもしれない。
このように偶々マスコミで取り上げられたりして、これまでと異な
る客層が押し寄せてくる場合がある。店主が一時的な現象と認識して
従来からの品揃えや接客法を守れば問題ないが、繁盛店になったと勘
違いして接客や価格等を変えて利益の丸取りを狙うと危険である。付
いたバラの蕾を全部咲かせるようなもので、咲き具合は余り良くない。
押し寄せる現象が去った後、従来の固定客が減少してしまうこともあ
る。
漁業で良い漁場というものは幼魚を保護したり、たくさんの魚が集
まっても収穫量を制限したりするから長く維持出来る。本物の繁盛店
は、自店の客層を常に認識し、継続的な集客力を大事にしている。