■■ Weekly Fax News 844 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 年金事務所の対応 ― 事業所への立入検査まで拡大 」
(2)「 観光と交通の便 」
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◆ 「 年金事務所の対応 ― 事業所への立入検査まで拡大 」◆
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年金事務所による社会保険未加入企業への加入促進についてはすで
に触れたところだが、これまでは文書を送付し、指定期日に指定書類
を持参の上調査を受けるように求めることが多かった。加入済み企業
においても、算定基礎届提出の際に加入漏れの者がいないかどうかを
確認するために調査を行うなど、様々な方法で加入促進を進めている
ところだ。
最近では年金事務所による事業所への立入検査の通告まで頻繁に行
われるようになった。これは来所調査に非協力的または社会保険加入
を求められているにもかかわらず、加入しない企業を主な対象として
いるようだ。飲食業などでは、そのような調査を受ければ従業員の有
無や勤務実態が確実に把握されることとなり、もはや社会保険未加入
のまま逃げ切ることは不可能と考えた方がいいだろう。いずれにせよ、
立入検査を受けて「バレる」くらいならば、年金事務所に対して事業
の実態を明らかにし、いつ付で加入するかを真剣に考えた方がいいだ
ろう。従来とは明らかに年金事務所の対応は異なっている。法的にル
ール付けられている以上、守らなければ想定以上の措置まで取られる
こともあり得る。マーケットから退場させられることのないよう注意
したい。
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◆「 観光と交通の便 」◆
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研修の仕事で温泉とスキー場のある町へ行った時のことである。仕
事の後、地元商店主や商工会職員と懇親会をした。「高速道路が通り、
近くにインターができて便利になりましたね」と言ったところ、出席
者が暗い表情をしている。「他所から速く来られるということは、こ
の辺の人も他所へ簡単に出られるということ」「以前は首都圏から大
勢泊りがけでスキーに来たが、今は日帰り客が多い。みやげ物もあま
り買わない」、等と次々に嘆くのである。首都圏の他の観光地におい
ても、似た現象がみられる。高速道路や鉄道網等が整備されると観光
者や来街者が増えるが、必ずしも経済にブラスになるとは限らない。
従来は泊ってゆったり観光していた人々が日帰り客になり、事業者は
温泉宿の従業員を減らしたり、飲食店やみやげ店を廃業したりする。
また、観光で高速道路や新幹線を利用する者は、その時の目的地以外
にあまり関心を持たないので、同じルート上の市町村に昔の宿場町の
ような連続性はない。観光の発展にも、交通条件の向上は重要である。
しかし、観光資源や商業環境を充実させなければ、滞在型の観光客が
減ったり、地元消費者が他所に流出したりする。交通の便が良くなれ
ば地域間競争が激しくなり、観光資源の差別化等が大切になる。