■■ Weekly Fax News 852 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 定年規定のない企業での定年はどうなる? 」
(2)「 店の外観と意外性 」
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◆ 「 定年規定のない企業での定年はどうなる? 」◆
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常時使用する従業員が10名未満であるなどの理由により、就業規
則を作成していない企業は少なくない。従業員数が10名以上になっ
ても規則を作りたがらない経営者も多い。自ら作った規則に縛られた
くないという本音が見え隠れする。
そのような企業で従業員が高齢になり、当然のように60歳での定
年を従業員に切り出したところ、そんな規定はないと反論され、では
定年はどうすればいいのかとようやく事の重大さに気づくということ
がある。問題となるのが、労働条件の不利益変更の壁だ。すでに60
歳に達している者を後から導入した就業規則で定めた60歳定年を理
由に退職させることはできない。この場合、個別の労働契約書等によ
り退職年齢を定めるなどの措置が必要となる。当然、従業員の同意を
得ることが原則だ。
費用負担を嫌ったり、規則があることが経営的自由を損なうなどと
して就業規則の作成を避ける経営者も少なくない。しかし、規則がな
いことが原因となり、終身の労働を保証する羽目にならないよう注意
が必要だ。なお、懲戒処分についての定めがなければ、懲戒処分を行
うこともできない。しばる規則がないことが生み出す経営的なしばり。
皮肉なトラブルも起こりかねないことも理解しておきたい。
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◆「 店の外観と意外性 」◆
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店の外観を見てお客が店に入るかどうかの重要ポイントは、店の業
種業態を表していること、買物をする目的と合っていること、店に入
りやすいこと等がある。店の外観とは、建物の形状、看板のデザイン、
店のロゴ、入口の大きさ、外から見える売場の割合(開放度と言う)
等である。
例えば、車を運転中にかなり先にあるコンビニ、ガソリンスタンド、
レストラン、本屋等を発見したり、識別したり出来るのは、店の形状
や看板、店のロゴ等に特徴があるからだ。また、お客が衣料品店を探
すような場合でも、外壁の構造や色、看板の格調、入口の大きさ、開
放度等により、自分が入るべき店かどうかを選別している。主要品揃
えは高級品か大衆品か、客層ターゲットはヤングかミセスか等が予想
出来る。以上、店の外観の働きを一般論で説明したが、近年は店の外
観に関して、意識して従来の理論に反する店構えをデザインする事業
者が増えている。店舗間の競争戦略として店舗の差別化(他所の同業
者と違うと主張)を目指していることである。例えば、安売り型紳士
服店等が店の外観(内装も)を豪華に作り丁寧な接客サービスを提供
して意外性を演出したりする。店の外観作りは、意外性の演出等が差
別化された店舗展開に活用出来る可能性もある。