■■ Weekly Fax News 856 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「ものづくり等補助金スタート ― 認定支援機関等との連携促す」
(2)「 事業承継準備のタイミング 」
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◆「ものづくり等補助金スタート ― 認定支援機関等との連携促す」◆
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中小企業庁はこのほど、平成26年度補正「ものづくり・商業・
サービス革新補助金」の1次公募について公表した。
当該事業は、国内外のニーズに対応したサービスやものづくりの新
事業を創出するため、認定支援機関やよろず支援拠点等を連携して、
革新的な設備投資やサービス・試作品の開発を行う中小企業を支援す
るもの。対象要件としては、
(1)「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で
示された方法で行う革新的なサービス創出かつ、3~5年計画で、
「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成で
きる計画
(2)「中小ものづくり高度化法」に基づく画期的な試作品やプロセ
ス革新であること
(3)複数企業の共同で、ITやロボット等の設備投資により、革新
的な試作品開発等やプロセス改善で(1)同様の向上を達成できる
計画、等のいずれかを満たすこととなっている。
【革新的サービス】、【ものづくり技術】、【共同設備投資】の3つ
の類型があり、補助上限額は700万円、1,000万円、5,00
0万円等、補助率2/3。公募期間は、平成27年2月13日(金)
~平成27年5月8日(金)(※当日の消印有効)。詳細は全国中小
企業団体中央会の各地域事務局まで。
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◆「 事業承継準備のタイミング 」◆
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X社(化学品製造業)の社長(65歳)に事業承継計画策定を奨め
たが、なかなかその気にならず、「常務(長男40歳)はまだその器
に育っていない」と提案を拒否していた。「切実に必要になってから
では遅いです。常務は技術も経営管理能力も十分です」と話すが、社
長の反応は「真面目だが、人を導く力量はまだ駄目だ」と取りあわな
い。親子間の事業承継は、成り行き任せで無計画に行われる場合と、
反対に後継者の条件を厳しく考え過ぎて社長交代が遅れる場合の両極
端がよくある。四書五経(大学・論語・孟子等)の『大学』の中に、
こんな言葉がある。「人其の子の悪を知る莫(な)く、其の苗の碩
(おおい)なるを知る莫しと」(親はつい愛情に溺れて、自分の子の
欠点に気づかない。また(農夫は)自分の田の苗はよその田よりも劣
ると誤認するものである)。では、事業承継の準備はいつから始めれ
ば良いか。偶然の出来事の機会を捉えたり、経営環境の変化等(例え
ば、工場の海外進出、企業系列の再編等)の機会を捉えたりする他は
ない。X社の場合は、社長がケガをして2ヶ月休んだことで常務の存
在感が強くなり、社長も真剣に事業承継の準備を検討する気になった。
準備のタイミングは、事業承継が切実になる一定期間前に着手する決
断が大切だ。