■■ Weekly Fax News 863 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 年金事務所の調査 ― さらに強化の方向 」
(2)「 仕事における身なりの確認 」
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◆「 年金事務所の調査 ― さらに強化の方向 」◆
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既報の通り、年金事務所の社会保険未加入企業に対する指導は強化
している。
新聞でも報道された通り、国税当局から給与支払い実績がある事業
所のデータを入手、一件一件突合して未加入企業のあぶり出しを行っ
ているようだ。しかし、ここにきて各人の給与支払額まで抑えている
可能性が指摘されている。
実際、すでに社会保険に加入している被保険者が別の事業所に勤務
しているケースで、個人を特定して、その別法人での勤務実態を確認
する連絡が入ることがある。社会保険の保険料逃れのために、A社で
は非常勤扱いで高額の給与を受け取り、B社では常勤で最低賃金レベ
ルの給与を受けることがある。社会保険は当然、保険料算定基礎が低
額なB社での加入を行うわけだが、年金事務所はこのようなケースで
A社での勤務実態を確認しているようだ。現状、非常勤である旨の報
告を行うことで、ひとまず収束することがほとんどだが、今後、非常
勤であることを証明する書類の提出等が求められることもあり得るだ
ろう。マイナンバー導入により、今後さらに所得の把握が容易になる
ことが予想されている。社会保険料逃れのために書類の偽造等を行え
ば思わぬトラブルになりかねない。長期的視野に立った慎重な対応が
求められている。
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◆「 仕事における身なりの確認 」◆
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皆様は一日に何回くらい鏡を見るだろうか。顔の美醜の話ではない。
筆者が指導している某販売店では、従業員は出勤すると必ず鏡を見る
ことになっている。「姿勢を正す」と言っているが、要は顔色や表情
(笑顔)、身なりに問題がないかを確認する。毎朝の確認で従業員の
接客態度が活き活きとし、店内が明るい雰囲気になっている。
知人のAさんは生命保険会社の営業所長であるが、社員の営業成績
は顔や身なりで決まると言う。Aさんの考えが正しいか否かは分から
ない。採用試験で顔や身なりをしっかり観察すれば、その人の仕事に
対する思い入れや顧客の評価がほぼ分かると言う。また、管理者は部
下の顔の表情や身なりを注意深く観察していれば、社員の特性を活か
した的確な指導が出来ると言う。
身なりはいつも鏡を見て直したほうが良い事は、古い書物の中にも
あり、江戸時代佐賀鍋島藩の山本常朝が著した『葉隠』(和辻哲郎・
古川哲史校訂、岩波文庫)にもある。すなわち、「風体(ふうてい)
の修行は、不断鏡を見て直したるがよし。これ秘蔵の事なり。諸人
(もろびと)鏡をよく見ぬゆゑ、風体わろし」と(※筆者注、風体:
主に身なり)。仕事上の対話においては、丁寧な言葉遣いよりも、顔
の表情や身なりの方が好印象の決定要因になるようだ。