■■ Weekly Fax News 883 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 民間企業で根づくか―『ゆう活』への取組み 」
(2)「 安ければ売れるか 」
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◆「 民間企業で根づくか―『ゆう活』への取組み 」◆
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7月から中央省庁での取組みが始まった、夕方を楽しく活かす働き
方である「ゆう活」。勤務時間を1~2時間早め、原則として定時に
退庁するという試みだ。省庁によって退庁時間に大きな差が出た、長
時間勤務に拍車がかかった、結果として職員の体調不良が発生したな
どのマイナス点も指摘されており、評判は今一つのようだ。
しかし、省庁の意向に沿うように、民間企業においてもゆう活に取
り組む企業が出始めている。現状では大手企業中心だが、フレックス
タイム制の見直しや社員食堂での朝食の無料化による朝方勤務の推進、
在宅勤務制度の拡充などにより、ゆう活導入の動きが出始めている。
早朝に起き、早朝から働き、夕方早めに仕事を終える。プライベート
の時間を有効に活用し、明日への活力とする。明日のために夜は早め
に就寝し、翌日また早起きして仕事をする。
すべてが実現すれば、理想的であることは間違いない。一方で、結
果として長時間労働になる、睡眠時間が減少するなどにより従業員の
体調面が問題となる可能性が高い。
制度を導入するのであれば、早出した社員が本当に早く退勤してい
るかを確認する、体調面を定期的にチェックするところまで、しっか
り対応する必要があるだろう。
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◆「 安ければ売れるか 」◆
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40年前、糸川英夫氏が著した『逆転の発想』(プレジデント社発
行)はベストセラーになった。これは物事を思考する時、既存の知識
や過去の常識を疑い、自由な思考によって斬新なアイデアを生み出す
術である。例えば、商品やサービスは価格が安いことが売れる絶対条
件か。確かに、スーパーチェーンや大型電気店等は、安売りを標榜し
て発展した。販売合戦は、価格が同じ商品ならば1円でも安い方が必
ず勝つ、と信じられた。しかし、最近は一部の安売り型業態の経営が
低迷して、高い価格でも関連のサービスに高い付加価値を付けて競争
を有利に展開するような店舗も出現している。さらに、飲食店が個室
を中心にして高級な接客をしたり、街の電器店が商品を売った後に管
理維持をこまめに行ったり、婦人服店が販売に当たってファッション
を丁寧にアドバイスしたりする等の店舗もある。相対的に高い価格を
受入れるか否かは、店舗の立地条件・客層レベル・商品ランクによっ
て異なるが、高い価格でも設備・接客技術・商品やサービスの質が高
ければ、お客は受け入れる。商品は単に安ければ売れるという思いは
捨て、自店の商品と客層に合った運営を着実に実行すれば、価格が高
くても関連サービスの工夫次第で売れるという発想をするべきだろう。