■■ Weekly Fax News 532 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 H20年版労働経済白書 ― 50代以上に勤労意欲低下 」
(2)「 不安を活用する経営者 」
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◆「 H20年版労働経済白書 ― 50代以上に勤労意欲低下 」◆
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厚生労働省はこのほど、平成20年版労働経済白書「労働経済の分
析―働く人の意識と雇用管理の動向―」を公表した。その発表による
と、有効求人倍率は、2007年10~11月期に1.00倍となり、新規
求人倍率も含めて低下している。正社員の有効求人倍率についても、
06年の0.63倍から07年の0.61倍へと低下している。完全失業率
は、5年ほど前過去最高の5.4%となった後、低下傾向となったが、
07年平均では3.9%と改善に足踏みがみられる。
新入社員の入社動機をみると「自分の能力、個性を生かせるから」
という理由が最も多く、逆に「会社の将来性を考えて」が減少、対照
的に、「技術が覚えられるから」、「仕事が面白いから」が伸びてい
る。また規模の大きい企業ほど「コミュニケーション能力」や「チャレン
ジ精神・向上心」に期待する割合は大きく、「職業意識・勤労意欲」等
は、小さい企業ほど割合が大きい。50歳代以上の層では「賃金が
低いから」「評価の納得性が確保されていないから」等の理由で働く
意欲の低下が増えてきている。またパート、派遣、契約社員などの
雇用が増加しており、その割合は3割を超えている。なかでも1~
29人規模の企業では、1987年の6.8%から、07年には39.
2%にまで達している。
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◆「 不安を活用する経営者 」◆
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「経営者は孤独である」「経営の将来は不透明で不安である」「経営者
の苦しさや不安を社員は理解出来ない」これらの悩みは事実であるか
もしれないが、問題は孤独や不安に対して、どのように対処するかである。
一番困るのは、現実から逃避する人と依頼心を持つ人である。例え
ば、「廃業する」「倒産させる」「経営者を辞める」「誰も助けてくれない」
「経営指導者なら、代わって解決しろ」等と駄々をこねる場合である。
いずれも社員には言えないので、守秘義務のある外部の者に吐露す
るのかもしれない。経営者の仕事は、将来の不安を抱えながら現在の
課題に取り組むことである。雇用社員がいてもいなくても最終的な意思
決定は経営者の権限であり、皆で決める(或いは誰かに決めてもらう)
というような曖昧な決断と依頼心は許されないのである。
結果、孤独は避けて通れない。経営者が不安を訴えた場合、経営指
導者としては取りあえず同情して話を聴く。話を聴いて事情が把握出
来たら、状況を整理して優先順位を助言する。次に、解決のためにど
んな行動をとるべきか、協力して「アイデア」と「行動作戦」を考えるので
ある。
経営者の不安は、問題を早めに把握して重大な経営トラブルを予防
することに役立つと共に、経営アイデアの源泉にもなる。