■■ Weekly Fax News 544 ■■
―――― ◆ 目 次 ◆ ―――――――――――――――――――――
(1)「 地域建設業経営強化融資制度 ― 工事請負代金債権を流動化 」
(2)「 不況の兆しに備える 」
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◆「 地域建設業経営強化融資制度 ― 工事請負代金債権を流動化 」◆
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国土交通省はこのほど、「安心実現のための緊急総合対策」に基づ
き、建設業の資金調達の円滑化支援を実施するため「地域建設業経営
強化融資制度」を創設した。国交省は、本制度を平成20年11月4
日から、以下の概要にて実施していく予定。
【制度の目的】
建設企業が公共工事発注者に対して有する工事請負代金債権につい
て流動化等により、建設企業の金融の円滑化を推進していく
【対象となる建設企業】
公共工事を受注・施工している中小・中堅建設企業(原則資本の額
又は出資の総額が20億円以下又は従業員数が1500人以下)
【対象となる工事】
国、地方公共団体等の発注する工事
【手続の流れ】
建設業者は、工事請負代金債権を事業協同組合等又は一定の民間事
業者に譲渡(工事完成前でも可)。民間事業者等は、工事請負代金
債権を譲渡担保に、建設業者に工事の出来高の範囲内で融資し、そ
のための資金を金融機関から調達。(財)建設業振興基金は、当該
資金調達に対し債務保証を実施。事業協同組合等又は民間事業者及
び保証事業会社は、工事完成後、発注者から支払われた工事請負代
金から、事業協同組合等又は民間事業者の融資額及び保証事業会社
の保証に係る融資額を精算の上、建設業者に残余を返還。
【債権譲渡時期】
当該工事の出来高が、2分の1以上に到達した日以降。
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◆「 不況の兆しに備える 」◆
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世界的な株式低迷に象徴される最近の経済不況は、1年以上前から
明確な兆しがあった(例えば、アメリカにおけるサブプライムローン
問題の発生)。実はこのとき、日本の事業経営者の相当多くが、日本
が経験したバブル崩壊を思い出し、今日の経済混乱を予想したのでは
あるまいか。
昨年(2007年)の春頃から(株式や土地価格は比較的順調だっ
た)、多くの事業経営者が、「今のような景気が長く続くはずが無い。
地震と同じで、不況になるのは今日明日かもしれない」「うちは今年
から設備投資を休止して、現預金の蓄えに励んでいる」「今なら銀行
が中期で貸してくれる。資金繰りの充実は急がないと」などと言って
いた。
不況の兆しを感知してその対策を実行に移すことは容易ではない。
しかし、不況がはっきりしてから、資金繰り等の対応策を考えていて
は手遅れになるかもしれない。この点は、取引会社倒産の兆しなどに
似て、日頃の観察や情報収集が大切だ。例えば、従業員の表情が明る
く挨拶をしっかりやっているか、建物内外の清掃が行き届いているか、
差別化された商品を開発したり新技術を活用しているかなどを観察す
る。大事なことは、不況の兆し(リスク発生の予感)を捕える明確な
判断基準を持ち、何らかの備えを早めに実行することである。