■■ Weekly Fax News 581 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 労働基準法施行規則 ― 一部が改正 」
(2)「 景気が好くなれば 」
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◆「 労働基準法施行規則 ― 一部が改正 」◆
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周知の通り、昨年、労働基準法の一部が改正された。今回、法改正
に伴う労働基準法施行規則の一部が改正され、公布された。施行規則
の公布に伴い、あらためて改正内容を確認してみる。
まず、もっとも大きな改正事項は従業員が1ヶ月に60時間を超え
る時間外労働を行った場合、現行の割増率25%から50%以上への
引上げだろう。長時間の時間外労働が行われている企業では、この改
正により大きな負担増となるからだ。本改正は2010年4月1日か
ら施行されることとなるが、一定の中小企業については施行が猶予さ
れ、法施行から3年経過後に改めて検討されることとなっている。
また、割増賃金の支払いに代えた有給の付与制度の導入、有給休暇
の時間単位での取得などが改正の主な内容となる。いずれのケースで
も就業規則の記載内容の変更を伴うことが予想され、その場合、一定
の手続きが必要なので注意したい。
就業規則の変更については、過半数で組織する労働組合(労働組合
がない場合は、労働者の過半数を代表する者)に意見を聴き、変更後
の就業規則とともに、その意見を記載した書面を労働基準監督署長に
提出する必要がある。きちんとした手続きを踏まないと、後々大きな
労使間トラブルになりかねないので、慎重な対応が求められる。
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◆「 景気が好くなれば 」◆
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「景気が好くなれば、開業を考えます。」知人のAさんは、不満そ
うな表情で帰っていった。飲食店の創業を3回も見送ったからである。
1回目は「開業資金が十分ではありません」、2回目は「今は好景気
で、職人の確保が出来ません」との理由だった。
Aさんに限らず、経営相談中に聞く言葉として、景気が好くなった
ら「新商品開発を計画します」「下請企業からの脱皮に挑戦します」
「従業員の接客教育に力を入れます」等がたくさんある。ところが過
去の好景気では「今は従来品が飛ぶように売れます」「元請からいく
らでも仕事が来ます」「今は忙しくて従業員教育が出来ません」等と
矛盾することを言っていたのである。
経営が安定している会社を見て思うことは、経営者が計画や戦略を
忠実に実行していることである。好不況による修正は構わないが、好
不況を一日延ばしの言い訳にして、実行を見送ることは問題である。
その時良いと判断して計画したことは、実行することが肝心である。
「心は万境に随って転ず」と言うが、やってみると不思議と順調に
推移するものが多い。決定の葛藤に悩んだり、先延ばしを繰り返すだ
けでなく、取り敢えず行動してみるという姿勢も大切だ。実行の迷い
は恐怖心を呼び、思い切った実行は自信と勇気、さらに経営ノウハウ
を蓄積するものだ。