■■ Weekly Fax News 706 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 協会けんぽ保険料率改定 ― 介護保険料が一律引き上げ 」
(2)「 守る拠点、攻める拠点 」
―――――――――――――――――――――――――――――――
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 協会けんぽ保険料率改定 ― 介護保険料が一律引き上げ 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
協会けんぽの保険料率が改定され、新しい保険料率が3月分(4月
納付分)から適用されることになる。
今年度の改定により、最も保険料率が高い都道府県は佐賀県の10.
16%、最も低いのは長野県の9.85%となった。介護保険料率は
全国一律で1.5%から1.55%に引き上げられる。引上げにより、
標準報酬月額が20万円の場合は月額500円程度、30万円の場合
は約750円程度の負担となる。月額30万円の社員100人を雇用
する企業では、年間約90万円程度の負担増となる計算だ。
東京都の保険料率は9.48%から9.97%に引き上げられるが、
実際のところ、保険料率9.97%のうち加入者の医療費等に充てら
れるのは5.96%に過ぎず、4.01%は後期高齢者医療制度への
支援金等に充てられる特定保険料率となっている。高齢者医療への拠
出金は年々増大しているため、高齢者医療制度を見直さない限りは今
後も保険料率が引き上げられる可能性は高いといえるだろう。年々引
き上げられる保険料率に加えて、従来、健康保険や厚生年金保険の適
用外だったパート労働者などの短時間勤務者への適用拡大も検討され
ている昨今、企業にとってはますます雇用にかかる負担が増大する懸
念がある。
―――――――――――――――――――――――――――――――
◆「 守る拠点、攻める拠点 」◆
―――――――――――――――――――――――――――――――
戦国時代等の敵の城近くに攻撃のための「付城(つけじろ)」とい
う城砦を築き、自己の本城の近くには守備のための「出城(でじろ)」
という城砦を築いたそうだ。
X社(婦人服小売チェーン)は40年前から東京西部を中心に店舗
展開してきたが、10年前頃から店舗を増やしても売上高は伸びなく
なった。新店舗の来店者は、X社既存店の顧客だけが移動するだけに
なったのである。新店舗はシェアを守る効果はあったが、新規客を獲
得する手段にはならなかった。そこでX社から、全く別地域(埼玉県
南部)に出店することの相談があった。
結論として、別地域に現在と同じランクの婦人服店を展開すること
には反対した。立地特性が異なり、仕入先や物流拠点が近くにないこ
とが不利な要因だった。そこで、別会社を立ち上げて現在の地域に
(今は駅周辺のテナントであるが、今後は駅ビル内のテナント)客層・
品揃え・価格帯の異なる婦人服及び婦人用雑貨チェーン店を展開する
ことにした。新業態店の開発により、攻める拠点作りに転換したので
ある。当初はこれまでの品揃え・陳列方法・接客方法が異なるので運
営のノウハウの獲得に苦労した。しかし、今では同地域の競合チェー
ン店に対抗して戦い、8年間でX社本体の規模と同等くらいに成長し
つつある。