■■ Weekly Fax News 777 ■■
――――◆ 目 次 ◆―――――――――――――――――――――
(1)「 女性の意欲は上司次第? 『少し困難な仕事』がカギ 」
(2)「 経営計画書の提出と融資 」
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◆「 女性の意欲は上司次第? 『少し困難な仕事』がカギ 」◆
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我が国においては、女性労働者が結婚、出産、育児等を理由に退職
する傾向が強く、一旦家庭に入った女性が再び、従前のような労働力
として復帰することもまだ少ない。今後の少子高齢化社会を見据えれ
ば、能力のある女性労働者をいかに活用できるかは、企業の人事戦略
にとって大きなポイントとなるだろう。21世紀職業財団が子どもの
いる正社員女性を対象に行った調査によると、第1子妊娠前の上司の
部下に対する育成意欲の高さが、復帰後の昇進意欲やモチベーション
を高めていることがわかった。一方で、出産後、上司の育成意欲があ
る、良好なコミュニケーションがとれている、建設的なフィードバッ
クをしてくれると回答する率は下がっている。つまり、妊娠前には部
下の育成に意欲的な上司でも、出産後には態度が変わっているという
見方をする女性が多いということだろう。なお、入社時のキャリア意
識がやや高い、普通である女性の場合、出産後でまだ子どもが小さい
ときであっても、上司が少し困難な仕事を任せることは、その後の昇
進意欲を高めているそうだ。「少し困難な仕事」がどの程度なのかは
人それぞれの物差しとなる。常にコミュニケーションをしっかりとっ
て、個々人の能力や意識を把握しておくことが重要になるだろう。
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◆「 経営計画書の提出と融資 」◆
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経営計画を策定する動機は、大きく分けて、会社が自発的に策定す
る場合と、金融機関(融資申込等)や公的機関(補助申請等)からの
要請に依って策定する場合がある。後者は積極的に受理・審査される
が、問題は会社が自発的に策定する前者である。筆者は企業等の依頼
によって3~5年の経営計画策定支援を行うが、計画書の提出先とし
て主要金融機関・主要取引先等を想定する。金融機関には計画に基づ
いた新規融資や融資継続を期待して提出するが、受取る担当者の態度
は区々である。毎期提出する決算書は担当者全員が重視する。しかし、
計画書については「貴社の意気込みを上司に報告します。内容を検討
して、感想を報告します」「一応見ておきます(後で感想も無い)」
等、その重視度は区々である。金融機関は、決算書による収益性や安
全性の財務分析は重視する。しかし、決算は過去の事業活動の結果で
あり、現在の返済能力は表していても、将来の成長力や返済能力を分
析することは難しい。しかも、経営計画は将来の実現が保証されたも
のではない為、金融機関は積極的に評価するとは限らない。企業とし
ては、単に計画書を提出するだけでなく、計画事業の内容・実行の手
法・融資後の資金活用等について十分な説明を準備することが必要で
ある。